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2009 Fiscal Year Annual Research Report

有機導体におけるディラック電子系の磁気抵抗理論

Research Project

Project/Area Number 21740252
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

森成 隆夫  Kyoto University, 基礎物理学研究所, 助教 (70314284)

Keywordsディラック電子 / 面間磁気抵抗 / ランダウ準位
Research Abstract

圧力下でディラック電子系として振舞う有機導体α-(BEDT-TTF)2I3について次のような研究成果を得た。
i) 面間磁気抵抗における低磁場での正の磁気抵抗の起源の解明
有機導体α-(BEDT-TTF)2I3ではディラック電子特有のエネルギーゼロのランダウ準位形成によって、磁場下で状態密度が増加し、負の面間磁気抵抗が現れる。ところが、低磁場領域では面間磁気抵抗が正になる領域が存在することが実験的に知られていた。これは、単純なディラック電子では理解できない振舞いとして未解決の問題であった。この正の面間磁気抵抗の起源について、面間の電子のホッピングが垂直方向からずれていると仮定すると実験結果を説明できることを示した。面間の電子のホッピングが垂直方向から傾くと、ランダウ準位間に遷移が生じる。この遷移効果によって正の磁気抵抗が生じることを明らかにした。この成果によって、面間磁気抵抗の振舞いがディラック電子描像によって統一的に理解できることが明らかになった。
ii) ディラックコーンが傾いているときのトポロジカルな性質
グラフェンなどのディラック電子は、低エネルギーにおけるエネルギー分散が等方的なコーン(円錐形)の形をしている。しかしながら、有機導体α-(BEDT-TTF)2I3におけるディラック電子のエネルギー分散は傾いていることが示唆されている。このことについて、有効理論を用いた解析を行い、コーンの傾きがディラック電子のトポロジカルな性質を損なわないことを明らかにした。

  • Research Products

    (2 results)

All 2010 2009

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Interlayer magnetoresistance theory for layered Dirac fermion systems : Application to α-(BEDT-TTF)_2I_32010

    • Author(s)
      T.Morinari, T.Himura, T.Tohyama
    • Journal Title

      Physica E 42

      Pages: 763-766

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 有機ゼロギャップ半導体における面間磁気抵抗理論2009

    • Author(s)
      森成隆夫
    • Organizer
      ディラック電子系の物性-グラフェンおよび関連物質の最近の研究
    • Place of Presentation
      東京大学物性研究所
    • Year and Date
      2009-10-23

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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