2012 Fiscal Year Annual Research Report
フラストレーションを持つ光格子中のボース原子気体の新奇量子相の解明
Project/Area Number |
21740267
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
笠松 健一 近畿大学, 理工学部, 講師 (70413763)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | ボースアインシュタイン凝縮 / 超流動 / 冷却原子 / 光格子 / 量子渦 / 相転移 / フラストレーション |
Research Abstract |
冷却原子気体のボース凝縮系においてフラストレーションによりもたらされる新たな量子相の発見とその動的な現象に関して研究を進めている。本年度は以下の内容を明らかにした。 1,2成分ボースアインシュタイン凝縮体にドメイン壁と反ドメイン壁を準備し,その壁間を渦で接続する配置を考えたとき,このドメイン壁と反ドメイン壁の消滅によって「ボルトン」と呼ばれるトポロジカルな励起が生じる事をトポロジーの観点から明らかにし、数値シミュレーションによって実際に生じることを示した。また、ボルトンは3次元スカーミオンと同等のトポロジーを持つことを明らかにした。 2,ナノテクノロジーの発展を鑑み,シリコン基盤にあけた光の波長程度の穴を通して漏れるフレネル回折光を用いて,個別の原子をトラップし,そのトラップと1次元光格子を併用することにより,任意の2つの原子間に2量子ビット・ゲートを作用させることが可能であることを提案し,シュレディンガー方程式の数値計算でゲートの動作時間と忠実度を求めた。 3,相分離した2成分ボース・アインシュタイン凝縮におけるドメイン壁と反ドメイン壁の対消滅過程が,場の理論で知られるタキオン凝縮と類似の現象として理解できることを理論的に示した。3次元空間における秩序変数場を2次元空間に「射影」することにより,この対消滅過程が2次元空間における自発的対称性の破れを伴う秩序化過程と解釈できることを示した。実際に秩序化過程の構造因子は動的なスケーリング則に従う事を示した。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(12 results)