2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740272
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
徳永 陽 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (00354902)
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Keywords | 強相関電子系 / 強磁性超伝導 / 核磁気共鳴 / 遍歴電子 |
Research Abstract |
本研究は、ウランを含む強磁性超伝導体において核磁気共鳴(NMR/NQR)測定法による微視的研究を行い、f電子系化合物における超伝導と磁性の関連性を調べることを目的としている。主な研究対象となるのはUCoGeで、この物質の示す強磁性超伝導は、遍歴電子が強磁性と超伝導を同時に担うという点において極めてユニークであり、強磁性揺らぎを媒介とした非BCS型の超伝導機構の存在を直感的に示している。またこのような遍歴電子の強磁性超伝導は複数5f電子系の特異性も示唆している。 本研究では日本原子力研究開発機構の芳賀らによって合成された複数のUCoGe試料においてCo核のNQR測定を行った。この物質については強磁性転移温度以下で常磁性と強磁性の相分離が存在することが指摘されていたが、我々の試料においてもこの相分離が観測された。さらに合成方法やアニール条件の異なる複数の試料で測定した結果、両相の体積比は試料の質に非常に敏感であり、電気抵抗の残留抵抗比の上昇と共に、強磁性相の割合が増えることがわかった。また強磁性相の増加には必ずしも単結晶である必要がないこともわかった。さらに重要なのは、超伝導の体積率も残留抵抗比とともに増加することで、このことは超伝導の出現において強磁性相の存在が本質的に重要であることを明らかにしている。今回NQRで得られた微視的情報を試料合成にフィードバックすることで、転移温度の直下でほぼ相分離のない試料を得ることに成功した。
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Research Products
(3 results)