2009 Fiscal Year Annual Research Report
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21740274
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
若林 裕助 Osaka University, 基礎工学研究科, 准教授 (40334205)
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| Keywords | 強相関電子系 / 光誘起相転移 / 遷移金属酸化物 / 薄膜 / 表面構造解析 |
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| Research Abstract |
光照射によって,熱的には到達しえない電子相が実現するのではないか,また,特異な集団的励起状態が実現するのではないか,という問題意識から,光誘起相転移の研究が近年精力的に進められている。本研究では光スイッチング効果を示すMn酸化物薄膜の光照射に伴う構造変化の観測などを目標としている。研究初年度である21年度末までに,我々は光照射に伴う構造変化をとらえる放射光X線回折実験を行い,構造に対する光照射効果を観測することに成功した。光スイッチング現象が起こったPr_<0.55>(Ca_<1-y>Sr_y)_<0.45>MnO_3薄膜に対して90K前後の低温状態でパルスレーザーを照射し,その温度を保ったまま放射光X線回折測定を行った。照射パルス数を変えつつ行った測定で得られた結果は当初の予想と異なり,光を照射する事によって膜全体が金属化するのではなく,ごく一部の領域のみが光照射の影響を受けて構造を変化させるという事を示していた。この測定と並行して,薄膜や表面,界面の構造を明らかにする実験・解析手法を確立する事を試みた。酸化物より平滑な表面が容易に得られる有機物の結晶に対して表面X線回折実験を行い,最新の解析法を適用する事で表面付近10ナノメートル程度の領域の構造を極めて高い精度で測定する手法を確立した。酸化物薄膜に対する光照射の効果を高い精度で観測できるようにすることを目指して,現在はこの手法で酸化物薄膜の構造を測定することを試みている。
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Research Products
(10 results)
