2010 Fiscal Year Annual Research Report
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21740284
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
島田 尚 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (90431791)
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| Keywords | 生態系・社会系 / 統計物理学 / 非平衡系 / 非線型系 / 計算物理学 |
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| Research Abstract |
「化石資料や生態系、社会系等、多自由度競争系に見られる特徴的パターンの由来についての統計物理学的理解を得る」という本研究の目的のため、前年度までに詳細が相異なる種間相互作用モデル群について系統的な解析を進めてきた。これによって、競争系に特有かつ非自明な統計量として特に注目して来た対象である"種の寿命分布"は相互作用の様式の詳細よりも新入種の既存種との相関の有無に大きく影響される事が分かって来た。この知見から、この分布の起源の更なる理解のため相互作用を更に簡単化したグラフダイナミクスのモデルを提案し、この簡単なモデルにおいても観測事実に一致する分布が得られる事とその数理的機構を明らかにした。これについて出版した論文は重要性を高く評価され,当該雑誌より当該年の優秀論文として選ばれた(New Journal of Physics Best of 2010, http://iopscience.iop.org/1367-2630/page/Best%20of%202010)。これらの成果については2つの国際学会でも発表を行い、周知と関連する情報の収集・議論に努めた。
これと平行して論文にまとめた際に残された課題、特に系の自由度の増減幅に実質的な制限が無い場合や新入種の導入ルールが異なる場合(元のものと同程度に簡潔であるものに限る)について研究を継続している他、前年度より進めて来たインターネットサイトにおける統計性についての共同研究も進めた(論文準備中)。
また、多自由度系における特徴量抽出の例として、初年度に整備した計算機を活用しての株価変動の相関構造の解析の共同研究を行った(論文準備中)。
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