2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740292
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
勝木 厚成 Nihon University, 理工学部, 助手 (40453914)
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Keywords | 砂丘 / 環境変動 / 非線形動力学 |
Research Abstract |
砂地形の代表である砂丘は風向きや砂量によって様々な形態をとることが知られている。環境変動による砂丘形態の変化を理解するために、まず定常状態となる砂丘形態を網羅的に調べた。過去に勝木によって提案された砂丘の数理格子模型は砂の輸送量と雪崩だけを素過程としているために、計算コストを大幅に削減することができ、複雑な地形形状を容易に計算機上で再現することが可能なのでこの模型を使用する。風の吹く方向を45度刻みに限定し複数の風方向に対してなす角の対称性を利用することで4方向までの風向の変化に対する砂丘形態を網羅的に調べる事ができた。また、境界条件(開境界条件、周期境界条件)や初期砂量、風の方向頻度を変化させることによって多様な形態を再現することができた。過去に野外観測でおこなわれたおおまかな形態分類(三日月型砂丘、横列砂丘、縦列砂丘、星形砂丘)と比較したところ定性的な一致をみることができた。これらの砂丘形態以外にも涙型砂丘や星形砂丘の腕が繋がったネットワーク星形砂丘、縦列砂丘が波状にうねった波状縦列砂丘、ドーム型砂丘の再現にも成功し、その形成条件を定量的に明らかにした。また風方向が2方向のときになす角によって横列砂丘と縦列砂丘が形成されるが、その変化の要因を砂丘断面の時間発展を調べる事によって明らかにした。これらの結果は他惑星での環境条件の予測や過去に起こった環境変動を地形から推測することができる可能性がある。本結果は日本物理学会で発表し論文投稿の準備も進めている。
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Research Products
(2 results)