2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740294
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
湯浅 一哉 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (90339721)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 量子観測 / 量子干渉 / 量子制御 / 量子計測 / 量子推定 / 量子情報 / 量子―古典境界 |
Research Abstract |
本研究の目的は,量子論の際立つ特徴の中でも「量子コヒーレンス」と「量子観測」に焦点を当て,両者が本質的に関わり合う興味深い現象を追究することによって量子論の奥深い世界に迫るとともに,それらを利用する独創的なアイデアを創出して量子情報技術に貢献することにあった.最終年度となる今年度も「量子コヒーレンス」,「量子系制御」,「量子計測」を柱に研究を推進する計画であったが,以下の成果を得た. ■量子コヒーレンス (1) フランソン干渉計を利用してクーパー電子対の 2電子間相関長や重心運動のド・ブロイ波長を計測できることを示し,論文発表した.(2) 量子状態の量子性 (非可換性) を,干渉計を組み合わせてとらえる方法を提案し,論文発表した. ■量子系制御 (1) 多重散乱の干渉効果を利用して書き込みと読み出しができる量子メモリを提案し,論文発表した.(2) 観測の繰り返しによる量子状態生成の独自の手法をマッハ・ツェンダー干渉計の設定に適用してエンタングルメント生成のスキームを提案し,国内学会や国内研究会で発表した.(3) 観測の繰り返しによる量子状態生成の独自の手法に対する環境系の影響を検討し,手順を工夫することでスキームを頑強にできることを示して,国内研究会で発表した. ■量子計測 (1) 多数回試行が想定される量子論にあって1回の試行で得られる観測データから系のパラメータを推定する方法の解析を進め,国際会議で発表した.(2) 同種粒子の識別不可能性に起因する多粒子干渉効果で計測精度を向上できることを示し,国内学会や国内研究会で発表した. 以上のほか,年度初頭に計画していたテーマのうち「フェルミ粒子系に対する観測による量子コヒーレンス」と「量子ゼノン効果による量子系制御」に関してもいくつかの新しい結果が得られており,今後の研究で成果発表に結びつけられるものと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)