2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波トラップへの極低温分子気体の連続ローディング
Project/Area Number |
21740300
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
榎本 勝成 University of Toyama, 理工学研究部(理学), 助教 (50452090)
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Keywords | 低温分子気体 / マイクロ波 / 共振器 |
Research Abstract |
本研究は、マイクロ波トラップ中に極低温分子気体を連続的にロードし、高い位相空間密度を持つ極低温分子気体を得ることを目的としている。本年度は、マイクロ波を用いて分子気体の並進運動を制御し、分子ビームを収束させる「マイクロ波レンズ」の実演を行い、また、4Kの低温ヘリウム気体中で極性分子気体を生成し、それを分子ビームとして取り出す「予備冷却装置」を作成した。マイクロ波レンズに関しては、ドイツのMax-Planck研究所のG.Meijer教授と共同研究を行い、あらかじめシュタルク減速器によって減速されたアンモニア分子ビームに対し、空洞共振器内で増強されたマイクロ波定在波がレンズのように作用することを確認した。これは分子のマイクロ波トラップの実現への重要な一歩である。予備冷却装置に関しては、液体ヘリウムクライオスタットに取り付けた金属セル内にヘリウムガスを流し、その中で固体PbOをパルスレーザーによってアブレーションをすることで、セルから低温PbO分子ビームを流出させるという装置を開発している。現在、予備冷却装置の組み立てが終わり、真空中でレーザーアブレーションによりPbO分子が生成されていることを四重極質量分析計で確認した。今後の直近の計画としては、406nm程度のレーザーを用いて低温PbO分子ビームの特性を光学的に調べる予定であり、電場による分子ガイド装置を予備冷却装置に接続して、PbO分子の電場によるガイドを実現する予定である。
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