2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740302
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
ESIRKEPOV Timur 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (10370363)
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Keywords | 船首波 / プラズマ / レーザー / 相対論的相互作用 / 相対論的自己集中 / 高次高調波発生 / Particle-in-Cell method / クラスタサーバ |
Research Abstract |
(1)多成分系のプラズマの中で船首波の微細構造を明らかにするためにマルチパラメトリック高解像度2D PIC計算を実行した。レーザー強度は10^<20>~10^<22>W/cm^2、焦点は2~20ミクロン、パルス持続時間は15~50fs、プラズマ密度は10^<17>~10^<19>cm^<-3>である。レーザーによって引き起こされる多重流れがプラズマ密度における、特異点の発生を引き起こすことが判明した。また、この特異点の発生はカタストロフィー理論により説明できる。 (2)電子加速への船首波励振の効果を調査するためにマルチパラメトリックの2D PIC計算を実行した。急峻にレーザーパルスを集光することで、電子が側方へ押し出され船首波を形成し、これが電子を加速する航跡波の静電位を高めることが判明した。 (3)プラズマ流の船首波特異性による高次高調波発生が特徴づけられた。高次高調波発生の効果には、航跡波長より長いレーザーパルスが好ましいことが分かった。このように、船首波による高次高調波発生の理論モデルを構築することができた。相対論的に自己収束するレーザーパルスは、プラズマの中にキャビティーと船首波を生成することが示された。キャビティー壁と船首波境界の結合部では、電子密度スパイクが形成され、それはカスプ・カタストロフに対応している。こうして発生したスパイクの振動により、高次高調波が発生する。発生した高調波放射はコヒーレントであり、すなわち、高調波の強度はスパイクにおける、電子の数の二乗に比例する(N^2)。開発したモデルの妥当性は3Dの、そして、2DのPICシミュレーションにより示すことができた。高調波のブリリデンス(輝度)は放射光のレベルに達しており、当該モデル及びそれに基づくシミュレーション結果は、XUV領域の高次高調波のスペクトルに関し、テラワットレーザJ-KAREN(JAEA)とアストラージェミナイ(RAL、イギリス)を用いて得られた最近の実験結果を説明できることが判明した。 (4)Physical Review Lettersに論文を提出した。さらにPhysics of Plasmasへの投稿準備中である。
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