2009 Fiscal Year Annual Research Report
外場存在下での液晶性ソフトマターのトポロジーとダイナミクス
Project/Area Number |
21740306
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
羅 亮皓 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 助教 (00421991)
|
Keywords | 非相溶混合流体 / 電場応答 / ダイナミクス / ソフトマター / 液晶エラストマー |
Research Abstract |
ソフトマターの一種である液晶は外場により容易に構造変化をおきることが良く知られている。さらに液晶に高分子を混合すると単一の液晶流体には無い新たなレオロジー的性質が現れる。両流体間の相溶性、粘度、表面張力、誘電率、導電率がこのレオロジー特性を決める重要な因子である。両流体が非相溶で、誘電率と導電率の差が大きい場合に電圧の印加により粘度が劇的に変化する「電気粘性効果」がその良い例であり、その制御は工業的にも重要である。今回、非平衡定常系としてせん断流れ場における非相溶高分子ブレンドのダイナミクスを調べるため、そのドロプレット分散相において流体の電場-応力応答を測定した。その結果、ドロプレット変形由来の緩和が見られ、次元解析からその緩和時間はドロプレットサイズに比例し、せん断速度に反比例するのが分かった。この緩和の特徴的なことは応力の実数分部が負になることであった。これらの結果をMaffettone-Minaleモデルを用いて解析して、定常せん断下でドロプレットの変形モードの固有値が複素数になることに起因し、応答関数は単純な緩和ではなく、減衰振動することが明確になった。これは速度勾配テンソルの反対称部分、すなわち、せん断流動が起源であった。また、ポリシロキサンの高分子主鎖に不斉炭素を持つメソゲン基と架橋剤を導入した均一配向のキラルスメクチックエラストマーを作製し、電場印加によるキラルスメクチック液晶エラストマーの巨視的変形を測定し、解析した。その変形が電場の周期と同じことから、この電場に対する応答は主にキラルスメクチック液晶の自発分極に起因したものと考えられた。その変形のひじみは、単純せん断が主な成分であり、その値は定量的に見積もることができた。
|
Research Products
(15 results)