2010 Fiscal Year Annual Research Report
外場存在下での液晶性ソフトマターのトポロジーとダイナミクス
Project/Area Number |
21740306
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
羅 亮皓 北海道大学, 大学院・工学研究院, 助教 (00421991)
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Keywords | 非相溶混合流体 / 電場応答 / ダイナミクス / ソフトマター / 液晶エラストマー |
Research Abstract |
液晶は電場・流れ場などの外場によって容易に構造変化をする性質を示す。本研究では誘電率と導電率の差が大きく非相溶である液晶性/非液晶性高分子ブレンドの電気粘性流体に対して、共焦点レーザー顕微鏡とレオメータを一体化したシステムを用いて外場による構造変化とレオロジー特性について調べた。この非相溶ブレンドに無せん断下で交流電場を印加すると,非液晶性高分子中にドロップレットとして分散している液晶性成分が電場方向に伸びるとともに、ドロップレットに誘起された双極子間の相互作用により合体が起こり,構造が粗大化した。また電場の大きさを一定以上大きくすると、このブレンドはドロップレットの合体に止まらずカラムを形成した。これらの構造の粗大化速度は電場の大きさに依存している。このときのドロップレットサイズを空間相関関数から求めたところ、その時間発展はスケーリング則に従っていることがわかった。また,定常せん断速度では、ステップ電場を印加すると、液晶性成分が電場方向に伸ばされ,液晶性成分同士が絡み合い、複雑な構造を作る。構造変化を観察した三次元画像をもとにマクスウェル応力を計算することで系全体の応力を理論的に解析した。また、ポリシロキサンの高分子主鎖に不斉炭素を持つ液晶基と架橋剤を導入したキラル液晶エラストマーを作製し、電場印加による液晶エラストマーの巨視的変形をナノメートルオーダーで測定し、解析した。実験結果はスメクチックC(SmC)相における電場に対する応答は主にキラルスメクチック液晶の自発分極に起因したことを示し、この変形のひじみを2次元テンソルとして定量的に見積もることができた。特に、ひずみテンソルの温度依存性の結果からSmC相での変形がNambu-Goldstoneモードに起因することがわかった。
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Research Products
(16 results)