2011 Fiscal Year Annual Research Report
地震学的観測に基づく西南日本下のマントル上昇流の実体解明とそのテクトニクス的意義
Project/Area Number |
21740318
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中島 淳一 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30361067)
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Keywords | 地震波速度トモグラフィ / 地震波形 / スペクトル / 低周波地震 |
Research Abstract |
西南日本の地殻の詳細な速度構造の推定を行った結果,中央構造線の南北で速度が大きく変化し,その北側の上部地殻は地震波速度が速いこと,下部地殻には中央構造線に沿って地震波低速度域が分布していることなどが明らかになった.さらに,得られた三次元構造を用いて地震の震源再決定を行った結果,気象庁による震源に比べて数キロ程度浅くなり,中央構造線に沿って局所的に地震発生相の下限が浅くなっていることが明らかになった.これらの結果は,中央構造線周辺の下部地殻は流体に富むことを示唆しており,マントル上昇流による流体の供給に加えて,低角で沈み込むフィリピン海プレートからの流体の寄与があると考えられる. また,西南日本とは異なるテクトニクス場である東北日本において,マントルウエッジの三次元地震波減衰構造の推定を行った.その結果,背弧側のマントルウエッジには,沈み込むスラブにほぼ平行な高減衰域が分布すること,その高減衰域は南北方向にも不均質であり,第四紀火山下のマントルで特に高減衰になっていることなどが明らかになった. これまでに得られた西南日本の結果と比較することで,日本列島においては太平洋プレート,フィリピン海プレートの2つの海洋性プレートからの脱水と深く関係しているマントル上昇流が広く分布すること,上昇流は温度異常のみでは説明出来ないこと,上昇流の分布は地表の第四紀火山の分布と非常によい対応を示すことなど,列島規模の地震火山テクトニクスを理解する上で重要なの新しい知見を得ることができた.
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