2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740319
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青木 陽介 The University of Tokyo, 地震研究所, 助教 (90376624)
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Keywords | 地震波干渉法 / 地下構造の時間変化 / 波動伝搬 |
Research Abstract |
主に海洋を起源とする脈動や,地震波の散乱によって生み出されるコーダ波などのランダムな波動場は,観測点間の相互相関をとることにより,地下構造はその時間変化を観測することができる.この手法を用いて地震や火山噴火にともなう地下の地震波伝搬速度の時間変化を求める研究が行われつつある.本研究は,地震波速度以外の情報,すなわち減衰構造や散乱構造の変化を地震波干渉法によってもとめることが目標である.本年度は,2007年に発生したPiton de la Fournaise火山の噴火(フランス領レユニオン島)にともなう地下構造の変化を,微動を用いた地震波干渉法により求めた.まず,地震波干渉法による地下構造の時間変化を求める時間分解能を検討し,この場合には約1日の分解能があることを明らかにした.さらに,この噴火にともない発生したマグマの水平移動域付近においては,マグマ貫入前後で,地下構造の変化を反映した顕著な波動場の変化がみられることを発見した.この変化は地震波伝搬速度の変化だけで説明することは不可能であり,原因を他のものに求めなくてはならない.我々は減衰構造の時間変化にその原因を求め,それを検出する手法を提案し,マグマ貫入による減衰の増加により観測された波動場が説明出来ることを示した.
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