2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740326
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
並木 敦子 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 助教 (20450653)
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Keywords | 火山 / 噴火 / 脱ガス |
Research Abstract |
本研究では火山の脱ガスメカニズムを明らかにし、脱ガス量を定量的に見積もる事を目指している。火山の噴火様式はマグマ中の気泡の量に強く依存する為噴火前のマグマがどのような条件で気泡を保持できるのかを明らかにする事は極めて重要である。よって本研究のハイライトは気泡を含む流体(実際の火山ではマグマ)がどの様にして脱ガスするかを実験的に調べる点である。実験方法は二通りある。1つは気泡を含む流体をせん断変形する実験である。せん断変形が流体中の気泡同士を繋げ、その繋がった構造を使い、気泡中の気体が大気中に脱ガスする。もう1つは減圧により気泡を膨張させる実験である。気泡の膨張により気泡同士の間に存在する流体膜が薄くなり、最終的には破れる。その結果気泡同士が連結し、脱ガスする可能性がある。 せん断変形の実験 前者のせん断変形を行う実験についてはパラメータを変化させた一連の実験を当該年度中に行った。その結果、脱ガス量がせん断速度と歪量に明らかに依存する事が確認された。 減圧膨張の実験 後者の減圧膨張の実験については当該年度中に予備的実験と解析を行った。その結果は個々の気泡の膨張・収縮と泡沫全体の膨張・収縮(脱ガス)が相関している事を示唆している。つまり実験前に予測した通り、減圧に伴う個々の気泡の膨張により気泡膜が薄くなり、ある程度の数の気泡膜がほぼ同時に破れる。その結果、気泡同士が連結し、脱ガスが起きる。ただし、この構造は長時間は保持されず、表面張力が駆動力となり、小さな気泡が形成される。よって脱ガスは止まる。このように断続的に脱ガス起きる事がわかった。
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Research Products
(1 results)