Research Abstract |
本研究は,精密測位解析における荷重変動(地球表層流体の移動に伴う質量再分配による地球の弾性変形)の補正用データを計算・提供するデータベースを構築するものである.本研究期間内では,大気荷重,非潮汐海洋荷重,陸水荷重について任意の地点の荷重変動を,"いつでも,どこでも,だれでも"使用できるシステムを提供する所までを日指す. 本年度は、前年度の結果を踏まえ,計算過程に加えるオプションを設定し,最終年度として,Webサーバを構築し,ネットワーク越しのユーザーへ計算結果を提供する環境を整えた. 計算過程に加えるオプションとして,海陸情報と大気圧と海水の補償モデルをユーザーに選択できるようにプログラムを改良した.荷重計算をする際には,グローバルな海陸情報が必要であるが,計算する局が内陸部か沿岸部かによっては,計算時間と推定精度のトレードオフを考慮して海陸情報の解像度を選択出来る事が望ましい.ユーザーが自分の目的に合わせた解像度を選択できるようにプログラムを改良した.また,通常海面上の大気圧の変動は海水の移動に因って補償されること(Inverted Barometer (IB))を仮定しているが,IBモデルと大気圧変動が海水の移動に因って補償されず,海底圧力を変化させるモデル(Non-IBモデル)のどちらかを選択できるようにプログラムを改良した. 以上の研究の集大成として,Webサーバ上に,主要観測局(GPS,VLBI,SLR)の各種荷重時系列データ(大気荷重,非潮汐海洋荷重,陸水荷重,etc.)と,ユーザーが必要な情報(緯度,経度,高さ,時刻(期間))を入力する事で,各種荷重変動を計算するプログラムを構築した. 研究の進捗状況は,日本測地学会第114回講演会,AGU Fall Meetingで発表を行った.
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