2010 Fiscal Year Annual Research Report
新型気候モデルを用いた中緯度海洋前線の大気マルチスケールへの影響
Project/Area Number |
21740335
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
稲津 將 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (80422450)
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Keywords | 双方向ネストモデル / 総観規模擾乱 / 大気海洋相互作用 |
Research Abstract |
本研究の目的は、数百kmのスケールで盛んにおこっているであろうと考えられている中緯度大気海洋相互作用を理解するために、全球シミュレーションモデルに領域シミュレーションモデルを結合した計算を実施することにある。中緯度海洋の大気への影響は温帯低気圧の成長率や前線の活動度など、大気から見るとメソスケールに分類される現象に起こることが推測されている。このため、中緯度海洋を境界条件とする領域気候シミュレーションと、全球海洋を境界条件とする双方向ネストシミュレーションを組み合わせて理解することが、複数のスケールにまたがる中緯度海洋の全球への影響を調べる上で重要である。そこで前年度までに大気大循環モデルと領域大気モデルと双方向にネストした大気のみを計算するシステムを既存の双方向ネストに組み込んだ。本年度は特に日本付近の中緯度大気海洋相互作用に着目した領域シミュレーション実験および双方向ネスト実験を行う予定であった。昨年度完了したモデル開発の結果を受けて、今年度は、大気全球モデルと大気領域モデルを結合した双方向ネスト実験と、結合をせず大気全球モデルの情報のみで領域モデルを動かす一方向ネスト実験を終える予定であった。しかし、昨年度の開発の遅れの為に計算結果はまだ全てが出揃っていない。来年度には計算結果を解析し、寒候期における大気海洋のマルチスケール現象を含む中緯度大気海洋相互作用の実態が明確になることが期待される。
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