2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740337
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Research Institution | Tomakomai National College of Technology |
Principal Investigator |
二橋 創平 苫小牧工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (50396321)
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Keywords | 沿岸ポリニヤ / 海氷生成 / 海洋熱塩循環 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、人工衛星に搭載されるマイクロ波放射計AMSR-E(空間分解能は約6km)による輝度温度データから、時間や天候に左右されずに0.15m以下の薄氷厚を推定できるアルゴリズムの開発を南北両半球で行った。本年度は、特に氷厚推定の精度を上げることに焦点をあててアルゴリズム開発・改良を行った。さらに南極海では、ポリニヤ面積を求める際に重要になる、定着氷域の検出アルゴリズムの開発も行った。高解像度(空間分解能は数十m)のSARデータとの比較から、両者の沿岸ポリニヤ(薄氷)域がよく対応することが示された。また、定着氷の領域も両者がよく対応することが示された。以上のことから、AMSR-Eによる薄氷・定着氷域の推定がうまくいっていることが示唆される。全球的に見ても最大級の沿岸ポリニヤが形成されるオホーツク海の北西陸棚域を対象に、AMSR-E薄氷厚データを用いて巨大な沿岸ポリニヤの形成メカニズムを調べた。その結果、風向きによってポリニヤの拡大の様子が大きく異なることが示された。特に、風向きが沖向きから左に0°から30°それる場合、ポリニヤの面積(岸からの幅)が非常に大きくなることが示された。これは風による海氷の沖向きの移流速度がコリオリ力の相対的な影響によって氷厚に依存し、同じ風速であっても沖側の厚い氷と岸川の薄氷の移流速度が風向によって異なるためである。単純化したモデルを作成し、風向き(角度)に注目して、ポリニヤの幅を理論的に求めたところ、風向が沖向きから左に10°それる場合、ポリニヤの幅が大きくなることが示された。
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Research Products
(21 results)