2009 Fiscal Year Annual Research Report
非球形散乱過程と雲の立体形状過程の効率化と放射伝達モデルへの導入
Project/Area Number |
21740342
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
関口 美保 東京海洋大学, 海洋工学部, 准教授 (00377079)
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Keywords | 気象学 / 大気放射 / リモートセンシング |
Research Abstract |
これまでの大気放射モデルにおいて、氷雲などの非球形粒子の効果は計算負荷が大きいために、無視されるか大幅に簡略化した形で計算されてきた。近年の計算機性能の向上に伴い、世界的に非球形粒子について研究が盛んになりつつある。一方、我が国の大気放射モデルにはこれらの効果が取り入れられておらず、雲の影響をより正確に評価するためにも、研究を進める必要がある。今年度の本研究の目的は、非球形粒子の効果を導入した衛星解析用大気放射モデルを開発するためのデータの整備と検討である。 本年度は衛星解析用放射モデルRstarの改良と非球形散乱過程の比較・検討を中心に行った。Rstarは作成されてから10年以上経過しており、メモリを節約するために計算負荷を大きくしている面がある。現在の計算機環境ではメモリの問題は解決されているため、高速化を目指し散乱過程の効率化を行った。具体的には、複素屈折率ごとに作成されている散乱テーブルが長方形のグリッドに分布していないため、3つに分割して読み込みを行っていた。これについて、データの有無に対するフラグを導入し、if文を減らして高速化を行った。 また、テキサスA&M大学のPing Yang教授が作成した氷粒子の非球形散乱データを導入予定であるので、これに対して導入の準備を行った。具体的には、短波領域で9種類、長波領域で6種類ある非球形粒子の中から六角柱を選択し、その形状や光学的性質が適当か検討を行い、適切であると判断した。
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