2012 Fiscal Year Annual Research Report
非球形散乱過程と雲の立体形状過程の効率化と放射伝達モデルへの導入
Project/Area Number |
21740342
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
関口 美保 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (00377079)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 大気放射 / 気象学 / リモートセンシング |
Research Abstract |
今年度は、氷雲として良く観測される凝集粒子の散乱特性を六角柱のものと比較した。また、これまでにナローバンドモデルRstar、ブロードバンドモデルMstrnに導入した散乱計算について評価を行い、最終年度としてまとめを行った。 まず、凝集粒子の散乱特性を六角柱のものと比較した。ここでは非等方性因子について述べる。非等方性因子とは、粒子に光が入射した後どのような角度に散乱するかを表すパラメータである。前方により多く散乱する場合に非等方性因子は1に近づき、どの方向にも等しく散乱する場合に非等方性因子は0になる。太陽放射域全体で数値平均したそれぞれの非等方因子を比較すると、六角柱粒子で0.8435、凝集粒子で0.8599であり、形状による非等方因子の差が1.9%程度生じている。地球放射域での非等方因子の平均値は、六角柱粒子は0.8709、凝集粒子は0.8527であり、六角柱粒子の前方散乱が2.1%程度強いことがわかった。凝集粒子の散乱特性をRstarに導入し、太陽天頂角60度、高度6kmから8kmに光学的厚さ7.4の巻雲が存在すると仮定して計算すると、雲頂における上向き太陽放射フラックスの差は0.7%程度であることがわかった。 次に、RstarとMstrnの散乱の結果を比較を行うため、散乱以外の過程である吸収過程について同様に扱うことができるよう整備した。具体的には、MstrnXの吸収過程をRstarでも用いることができるよう変更し、パッケージ化した。これにより、三次元放射計算など、その他の比較プロジェクトにも役立つことになった。これを用いて散乱過程の比較をモデル大気を用いて行ったところ、雲の上層で最大で1.3%程度の差がみられた。これは、ナローバンドとブロードバンドの違いから来るものと考えられ、球形散乱でも同程度の差がみられることから、非球形散乱の過程の導入は達成できたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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