2009 Fiscal Year Annual Research Report
非線形次元削減法を用いた非線形システムにおける確率分布およびレジームの検出
Project/Area Number |
21740344
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西澤 誠也 Kobe University, 理学研究科, 助教 (40447892)
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Keywords | 非線形次元削減 / 非線形システム |
Research Abstract |
本研究では、非線形システムの状態空間に埋め込まれている多様体を、従来の線形の次元削減法ではなく、複数の非線形次元削減法を用いて抽出を行い、抽出された多様体上で気候レジームの検出を行うことを目的としている。 本年度は、複数の非線形次元削減法のプログラミング実装を行い、理想化データ、および現実大気データに適用し、検証および、それぞれの手法の特徴の考察を行った。 局所線形埋込,Isomap, Laplacian Eigenmap,および線形次元削減法としてPCAそれぞれの解析プログラムの実装を行った。そして、多様体を埋め込んだ人工的な低次元理想化データを用いてそれぞれの手法の特徴を調べた。また、それぞれの手法には、任意パラメターを与える必要があるが、期待された結果が得られるためのパラメターの選び方の検証を行った。 次に、それぞれの手法を冬季極域成層圏気温データに適用し、極夜ジェット振動の抽出を行った。極夜ジェット振動は、正偏差と負偏差の原因となる物理過程が異なっており、線形手法ではうまく抽出できない可能性がある。それぞれの手法で抽出された変動の違いを比較し、それらの違いの考察を行った。その結果、すべての手法で極夜ジェット振動を抽出することができた。しかしながら、それぞれ抽出された多様体の構造や、多様体上の時間発展の特徴には違いがみられた。特に、非線形手法では、変動の正負の偏差に対応する領域での特徴に違いがみられることが分かった。
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