2011 Fiscal Year Annual Research Report
統一残差平均理論に基づく南極周回流および赤道流のエネルギーと鉛直構造の解析の研究
Project/Area Number |
21740351
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
相木 秀則 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, 主任研究員 (60358752)
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Keywords | 海洋物理 / 気候変動 / 気象学 / 数値シミュレーション / 地球流体 |
Research Abstract |
インドネシア多島海の内部重力波に関する衛星観測と数値シミュレーションの結果を比較した論文がH23年5月に出版された(Matthews & Aiki et al.,2011,JGR-Oceans).この論文では潮汐流が大陸棚や海峡の地形にあたってできる内部重力波とそれにともなう密度混合が、背景流(インドネシア通過流)の季節変動によって変調されることを、観測の統計データと数値実験の両方を用いて検証することができた.インドネシア通過流は太平洋のエルニーニョ南方振動やインド洋ダイポールモード現象によっても変動するので、本研究は気候変動モードがインドネシア多島海の潮汐混合に寄与する事を暗示している.またインドネシアのロンボク海峡における潮汐混合のエネルギー変換規模がハワイ諸島近海の潮汐混合のエネルギー変換規模と同等であることを示した.さらにH23年3月に出版された2つの論文(Aiki,Matthews & Lamb,2011,JGR-Oceans;Aiki,Sakuma & Richards,2011,Ocean Dynamics)をさらに発展させ、潮汐流が海峡の地形にぶつかって内部重力波に変換される過程を記述するエネルギー方程式と、南極周回流が海嶺にぶつかって圧力応力を受ける過程を記述するエネルギー方程式が、(現象としては全く異なるが)統一した数式を用いて説明できること、さらに傾圧不安定渦によるエネルギー変換と海面の風波によるエネルギー変換が、(現象としては全く異なるが)統一した数式を用いて説明できることを総括した内容を国際学会にて発表した.
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