2011 Fiscal Year Annual Research Report
ホイッスラー乱流の非線形発展およびプラズマ粒子へのエネルギー変換過程
Project/Area Number |
21740353
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
齊藤 慎司 独立行政法人情報通信研究機構, 電磁波計測研究所・宇宙環境インフォマティクス研究室, 専攻研究員 (60528165)
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Keywords | 太陽風プラズマ / プラズマ乱流 / ホイッスラー乱流 / 粒子シミュレーション |
Research Abstract |
本研究ではホイッスラー乱流の非線形発展として、乱流振幅依存性およびプラズマβ依存性について研究を行い乱流非線形発展に対するプラズマ粒子の運動論的性質の重要性について調べてきた。この中で、電子へのエネルギー変換過程について調べ、磁場に対して平行方向の電子温度を優位に上げる傾向がある、というような特徴的な性質について議論してきた。今年度においてはこれらの研究成果について国際会議で発表を行い、国内外の研究者の方々からコメントを頂き、ホイッスラー乱流性質に関する理解を深めた。 近年の論文発表および国際会議によると、ホイッスラー乱流を含む運動論的乱流研究において、その性質を理解するためにはよりMHDスケールに近い部分を含めた議論が重要である、と言われている。本研究においてはイオンの運動論を解いてはいるものの、その物理を追跡するだけの十分な時間・空間スケールを有した計算が実現されていない。一方で、国外の研究においてはイオンの運動論効果が重要になるような運動論的アルフェン乱流が注目されており、その非線形発展を示す数値シミュレーション結果も発表されている。こういった動向の中、より大きな波動スケール(MHDスケール)から運動論的乱流へのエネルギー供給を行うクロススケール・カップリングを含んだ物理の重要性が増しており、このプロセスを含んだ運動論的乱流計算が今後必要と考えられる。こういった観点から、本研究では、スーパーコンピュータやクラスター計算機システムの中で大規模の粒子シミュレーションを実現する並列計算型粒子シミュレーションコードの開発に着手した。このコードの開発により、今後、イオン運動論効果を含んだ非線形乱流発展について調べ、運動論的アルフェン波動を含んだプラズマ乱流の非線形物理およびプラズマ粒子へのエネルギー変換過程の研究へ発展させて行きたいと考えている。
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Research Products
(2 results)