2010 Fiscal Year Annual Research Report
巨大計算に向けた低数値誤差蓄積シミュレーションコードの開発
Project/Area Number |
21740356
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺田 直樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70470060)
|
Keywords | 宇宙プラズマ / 超高層物理学 |
Research Abstract |
平成23年2月までに電磁圏シミュレーション流体計算部の高精度化に関するコード開発を終え、平成23年3月までに成果纏めに関する資料(書籍)を購入した上で、研究成果を取り纏める予定であった。しかしながら、東日本大震災の影響で資料の納品が間に合わず、平成22年度の科学研究費補助金の一部(9,999円)を平成23年度に繰り越した。資料を入手後、流体計算部を実問題に適用する際のパラメータに関する情報を確認し、平成22年度の研究成果を取り纏めた。平成22年度は、磁気圏-電離圏結合シミュレーションの流体計算部の高精度化を行い、粒子コードおよび拡張磁気流体コードの場の計算部における数値誤差蓄積の低減を実現した。また、実問題への適用に向けて、木星磁気圏-電離圏結合領域における拡張磁気流体力学方程式系(電子移流項を含む磁気流体力学方程式系)への試験的な実装を試みた。本研究では、高精度中心スキームのリーマンファンの評価を行う際に、従来のように磁気流体波動の最大伝搬速度を用いずに、ランキン-ユゴニオの関係を用いた伝搬速度の見積りを利用することによって、プラズマ波動(特に接触不連続)に付加される数値粘性の大幅な低減を実現した。しかしながら、ランキン-ユゴニオの関係を用いた方法では、プラズマの移流速度と波動の伝搬が逆向きでキャンセルされる(合計速度が0になる)特異点において、数値不安定が生じる問題が発生する。この問題を解決するために、本研究では、プラズマの移流部分、すなわちエントロピーモードを分離して解く方法を新たに提案し、数値不安定が生じる特異点を回避することに成功した。実問題への適用に向けた試験的な実装においては、木星磁気圏-電離圏結合領域において電子移流項を磁気流体力学方程式系に組み込み、各種プラズマ波動の伝搬試験を行い、理論とよく一致する伝搬速度などの初期的な結果を得た。
|
Research Products
(16 results)
-
-
-
-
[Journal Article] A Comparison of Global Models for the Solar Wind Interaction with Mars2010
Author(s)
Brain, D., S. Barabash, A. Boesswetter, S. Bougher, S. Brecht, G. Chanteur, D. Crider, E. Dubinin, X. Fang, M. Fraenz, J. Halekas, E. Harnett, M. Holmstrom, E. Kallio, H. Lammer, S. Ledvina, M. Liemohn, K. Liu, J. Luhmann, Y. Ma, R. Modolo, A. Nagy, U. Motschmann, H. Nilsson, H. Shinagawa, S. Simon, and N. Terada
-
Journal Title
Icarus
Volume: 206
Pages: 139-151
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
[Journal Article] Observations of very-low-energy (<10 eV) ion outflows dominated by O+ ions in the region of enhanced electron density in the polar cap magnetosphere during geomagnetic storms2010
Author(s)
Kitamura, N., Y.Nishimura, T.Ono, Y.Ebihara, N.Terada, A.Shinbori, A.Kumamoto, T.Abe, M.Yamada, S.Watanabe, A.Matsuoka, A.W.Yau
-
Journal Title
Journal of Geophysical Research
Volume: 115
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Extreme Ultraviolet Spectroscope for Exospheric Dynamics Explore (EXCEED)2010
Author(s)
Yoshikawa, I, K.Yoshioka, G.Murakami, A.Yamazaki, S.Kamda, M.Ueno, N.Terada, F.Tsuchiya, M.Kagitani, Y.Kasaba
-
Journal Title
Advances in Geosciences
Volume: 19
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-