2011 Fiscal Year Annual Research Report
巨大計算に向けた低数値誤差蓄積シミュレーションコードの開発
Project/Area Number |
21740356
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺田 直樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70470060)
|
Keywords | 宇宙プラズマ / 超高層物理学 |
Research Abstract |
本研究は、地球・惑星電磁圏の巨大計算を実現するための基盤技術の一つである「低数値誤差蓄積コード」の開発を目的としている。本研究では、前年度(平成22年度)において、磁気圏-電離圏結合シミュレーションの流体計算部の高精度化を行い、粒子コードおよび拡張磁気流体コードの場の計算部における数値誤差蓄積の低減を達成した。平成23年度は、前年度に高精度化を達成した流体計算部の実問題への適用を行った。第一の適用先として、金星電離圏界面における磁気流体力学方程式系に適用し、現実的な速度シアー配位を初期条件として採用することによって、磁気流体近似では観測された表面波の成長を説明できないことを示し、運動論的効果の重要性を示唆する結果を得た。第二の適用先として、木星磁気圏-電離圏結合領域における拡張磁気流体力学方程式系(電子移流項を含む磁気流体力学方程式系)に適用し、木星電離圏-イオ結合系の沿磁力線電場形成において電子移流項が果たす役割を定量的に評価した。その結果、沿磁力線電流がある閾値を超えると、電流駆動型の不安定性によってイオン音波モードが増幅され、狭い高度範囲に不連続的な加速層が形成されることを示した。また、観測から示唆される木星電離圏-イオ結合系における電流-電圧関係の経度分布を再現することに成功した。次に、流体計算部と、旋回位相を保持した粒子軌道計算部の結合を行い、自己無撞着な電磁混成コードにおける数値誤差蓄積の評価を行った。その結果、流体計算部に高精度中心スキームを用いた場合は、粒子軌道計算部の時間発展に半整数時間格子点を用いると二次の誤差が紛れ込み、更なる高次精度化を図る為には整数時間格子点上で粒子運動を解く陰的スキームを導入する必要があることが明らかになった。
|
Research Products
(15 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Solar system planets observed with Suzaku2011
Author(s)
Ezoe, Y., K.Ishikawa, T.Ohashi, N.Y.Yamasaki, K.Mitsuda, R.Fujimoto, Y.Miyoshi, N.Terada, Y.Uchiyama, Y.Futaana
-
Journal Title
Advances in Space Research
Volume: 47
Pages: 411-418
Peer Reviewed
-
[Journal Article] 「月惑星探査の来たる10年」検討・第一段階報告2011
Author(s)
大谷栄治, 倉本圭, 今村剛, 寺田直樹, 渡部重十, 荒川政彦, 伊藤孝士, 圦本尚義, 渡部潤一, 木村淳, 高橋幸弘, 中島健介, 中本泰史, 三好由純, 小林憲正, 山岸明彦, 並木則行, 小林直樹, 出村裕英, 大槻圭史
-
Journal Title
日本惑星科学会誌
Volume: 20
Pages: 350-366
Peer Reviewed
-
-
-
-