2010 Fiscal Year Annual Research Report
地球・惑星外圏発光の特性X線を多波長同時観測する反射鏡の開発研究
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21740360
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
山崎 敦 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (00374893)
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Keywords | 地球惑星電離圏 / 特性X線 |
Research Abstract |
地球・惑星外圏プラズマ観測には、大局的な分布を測る光学観測、粒子のエネルギー・数密度を測定する直接粒子観測、境界条件である太陽風プラズマの観測等、系統的な同時観測が不可欠である。その一角を担うプラズマ光学観測には広視野の明るい光学系が有効である。さらに観測対象となる地球・惑星の外圏・電離圏で発光している軟X線はその場に存在するプラズマの1keV以下の低エネルギー特性X線であり、存在する複数の輝線を同時に効率よく観測する必要がある。X線撮像器開発では、検出器でエネルギー分解し分光撮像観測を行う手法が採用される。本研究では撮像機器の鍵となる光学素子である直入射型多層膜反射鏡の開発に主眼をおく。昨年度、地球・惑星超高層プラズマの主要な構成要素である炭素イオンと酸素イオンの特性X線に対して同時に高い反射率を有する二重多層膜鏡を設計、試作を実施した。反射率測定とX線構造解析により二重多層膜が設計どおり成膜されており、想定どおりの性能を有していることを確認した。今年度は、デシケーター内で1年間保管し経時変化を調査した。二重多層膜の反射率を定期測定を実施するとともに、1年間保管後X線構造解析を実施し、二重多層膜層構造の経年変化を測定した。測定結果は、当初危惧していた多層膜間の界面拡散は観測されず、反射率と膜面構造は安定している存在することが判明した。この結果を平成23年度の日本地球惑星科学連合2011年大会で報告する予定である。
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