2009 Fiscal Year Annual Research Report
海洋の気候変動復元に向けたサンゴ骨格クロスデーティング法の開発
Project/Area Number |
21740362
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森本 真紀 Nagoya University, 環境学研究科, 研究員 (30377999)
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Keywords | サンゴ骨格 / 年輪 / 年代測定 |
Research Abstract |
本研究の目的は、従来行われてきたサンゴ骨格を用いた高時間分解能での海洋の環境変動復元に、陸上では木の年輪解析で用いられてきた「クロスデーティング法」の新たな概念を導入することで、復元期間を過去へ拡大する手法の開発をおこなうことである。生息年代の異なるサンゴ年輪化石を採集し、年輪の編年(年輪形態観察と酸素同位体比分析)と高感度炭素14年代をもとに、複数のサンゴ試料の記録を繋ぎ合わせてより長い期間の編年を作成し、過去の海洋環境の復元を目指すものである。 本年度は、沖縄県石垣島西方のサンゴ礁(石西礁湖)において現地調査をおこない、サンゴ礁の海底におけるボーリング作業によって、化石サンゴ4群体の骨格のコア8本(コア長40~250cm)を採取した。採取したサンゴ骨格試料について炭素14年代測定をおこない、それぞれ約650年前、1400年前、2100年前、2300年前の年代が得られた。さらに、それぞれのコア試料を切断して平板試料を作成し、年輪形態を観察・計数するための軟X線写真の撮影をおこなった。特に、1400年前の年代のサンゴ骨格試料はおよそ300年間の記録を持っていることが予想され、石垣島から採取した既存の試料(約1300~1700年前の400年間の記録を持つ)と生息年代が重なっていることから、クロスデーティングが適応出来る可能性が高いことが明らかになった。よって次年度は、この2試料を解析対象の中心として、より詳細な炭素14年代測定、年輪形態観察、酸素同位体比分析をおこない、年代の繋ぎ合わせと海洋環境の復元を進める。
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Research Products
(2 results)