2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロプラズマによる微細チューリング構造の形成とフォトニック結晶への応用
Project/Area Number |
21740393
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
向川 政治 Iwate University, 工学部, 准教授 (60333754)
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Keywords | プラズマ / 自己組織化 / プラズマフォトニック結晶 |
Research Abstract |
本研究では、マイクロギャップ誘電体バリア放電を用いて、空間対称性が高く密度の高い自己組織構造を生成し、それを微細化する。また、この自己組織構造をフォトニック結晶とみなして、プラズマフォトニック結晶の屈折率の周期構造をマイクロプラズマの自己組織化で実現し、プラズマフォトニック結晶の実現の1つの方法として提案し、電磁波制御の可能性を検討する。 平成21年度の研究では、放電の自己組織構造に対するメモリー効果の影響を調べるため、誘電体表面の電荷の蓄積量を測定するシステムを構築した。珪酸ビスマス(BSO:Bismuth Silicate)のポッケルス効果を用いた電界測定法を電荷密度測定のシステムに応用して装置を試作し、誘電体バリア放電におけるバリア表面の蓄積電荷の測定を試みた。本システムにおける蓄積電荷測定法の評価として、放電電流の値と比較する推定を行ったところ、両測定方法で帯電電荷の値はほぼ同等の値を示し、また、電荷の誘電体表面上の分布はBSO薄膜の厚さ程度の空間分解能を有することが分かり、電荷測定系は確立されたものとみなしてよいレベルに達した。 マイクロプラズマが微細チューリング構造となるにはいくつかの条件が挙げられているが、平成21年度の研究においては、電界に直交する誘電体表面に添うガス流の影響を実験的に検証した。マイクロギャップ誘電体バリア放電における自己組織構造は、ギャップ長が100μm程度の短ギャップにおいて、流速が10m/s程度の低い値において安定に生成されることが分かった。自己組織構造の生成に対するその他の要素の影響については、平成22年度の研究において継続して調査を進める。
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