2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロプラズマによる微細チューリング構造の形成とフォトニック結晶への応用
Project/Area Number |
21740393
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
向川 政治 岩手大学, 工学部, 准教授 (60333754)
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Keywords | プラズマ / 自己組織化 / プラズマフォトニック結晶 |
Research Abstract |
本研究では、マイクロギャップ誘電体バリア放電を用いて、空間対称性が高く密度の高い自己組織構造を生成し、それを微細化する。また、この自己組織構造をフォトニック結晶とみなして、プラズマフォトニック結晶の屈折率の周期構造をマイクロプラズマの自己組織化で実現し、プラズマフォトニック結晶の実現の1つの方法として提案し、電磁波制御の可能性を検討する。 平成22年度の研究では、マイクロプラズマの自己組織構造が微細化する条件を探るため、導電率の低い誘電体の使用、電界に直交する誘電体面に添うガス流速をゼロとすること、高周波化などを試み、実験的に調査した。プラズマへの投入エネルギー等の計測からプラズマの状態を調べ、幾何構造の成り立ちや構造の生成要因を探った。 誘電体としてガラスを用いるときは、フィラメントの生成時から消滅時にかけてその直径が大きくなり続けるのに対し、珪酸ビスマス(BSO : Bismuth Silicate)を用いた場合は、フィラメントの直径は生成時とほぼ変わらず約0.5mmを保ち、BSOを用いることで構造は微細化することがわかった。流速ゼロの極限においては、有限の流速の場合に比べ、六角状パターンが現れるパラメータ領域が広がる。また、100kHzから200kHzの周波数の増加にしたがって、六角状パターンからストライプパターンへ転移する電圧は増加し、六角状パターンが起こりやすくなることがわかった。 理論的研究・解析については、2次元拡散反応系の基礎方程式を用い、自己組織構造の発現の数値計算システムを立ち上げ、テストランまで行った。放電のパターン形成を計算するためスウォームデータをインプットパラメータとするシステムを構成し、自己組織構造の生成には、拡散係数の異なる2つ以上の成分が存在し、ある種の不安定性条件を満たし、振動励起をおこすための非線形相互作用の存在が不可欠であることがわかった。
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