2011 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ処理による化学修飾を用いた生体高分子の固定化とバイオセンサへの応用
Project/Area Number |
21740395
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
荻野 明久 静岡大学, 創造科学技術大学院, 准教授 (90377721)
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Keywords | プラズマ / 表面・界面物性 / ナノバイオ / 化学修飾 / アミノ基 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、バイオセンサへの応用を目的として、プラズマ化学修飾を用いた機能性材料の固定化率向上と選択的配置について評価・検討を行った。以下に平成23年度における主な研究成果を記載する。 1)表面波プラズマによるバイオマテリアルの表面機能化:ポリウレタン表面にL-システインを固定化におけるアルゴン(Ar)ガスおよび水蒸気添加プラズマの照射効果を調べた。その結果、Ar中の水蒸気分圧を2%としてプラズマ処理を行ったポリウレタン表面をポリエチレングリコール(PEG)水溶液に浸漬した後、再度、Arプラズマを照射した時に、最も高いL-システイン固定化率が得られた。プラズマ解析およびXPS等による材料処理解析の結果から、水蒸気分圧が2%の時、材料表面のOH基修飾率が最大となりPEGの固定化に有効であることが分かった。 2)カーボンナノチューブ(CNT)表面へのPEGおよび糖鎖の固定化:絶縁体基板上で選択的に成長させたCNTにプラズマを照射し官能基を修飾した後、末端にNHSが多分岐でついたPEGを修飾し、更にアミノ基がついた糖鎖を固定化することで糖鎖プローブの開発を行った。固定化する糖鎖の種類によるが、インフルエンザのヘマグルチニンや大腸菌O157などのベロ毒素の認識が期待できる。量子ドットを用いた蛍光観察によりCNT表面への材料固定化を評価した結果、プラズマ処理により固定化率は向上するが、試作したCNT基板は、CNTと絶縁体基板との密着性が十分でなく、PEGおよび糖鎖の固定化プロセスの手法に改善を要することが分かった。
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