2011 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマデバイスを用いたチェレンコフEUV光源開発
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21740398
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
犬伏 雄一 独立行政法人理化学研究所, ビームライン開発チーム, 特別研究員 (40506250)
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Keywords | 高エネルギー密度科学 / プラズマデバイス / チェレンコフ光 / 超短パルスレーザー / EUV光 |
Research Abstract |
本研究計画では、申請者が新たに考案した高エネルギー密度電子制御プラズマデバイスにより超高強度レーザー生成相対論電子ビームの伝播を制御し、それにより励起される、単色性、指向性、波長可変性を有する極端紫外光領域のチェレンコフ光(チェレンコフEUV光)の光源開発を目的とした研究を行った。 本研究ではチェレンコフEUV光源の高効率化について検討を行い、高効率なエミッター構造を明らかにした。超短パルスレーザーにより生成された相対論電子ビームをエミッター中に伝搬させる場合、エミッター内部での吸収を抑制するためには、エミッターの表面に沿って電子ビームを伝搬させるのが良い。本研究では、界面における全反射をさせるために表面に正弦波状の構造をもった周期構造エミッターを考案した。このとき、超短パルスレーザーからチェレンコフ光へ効率よく変換するためには、電子ビームはチェレンコフ光のための閾値を超える電子数が多いほど良く、単色である必要はない。すなわち、エネルギー拡がりを持つ電子ビームから単色のEUV光が生成されることが明らかとなった。また、得られるEUV光の波長は放射角度に依存する。理論計算ではスカンジウムをエミッターとすると、電子ビームの傾き温度15MeV、エミッターの正弦波構造の周期は1/3600mmの場合、1Jのレーザーで1.5x10^<20> photons/mm^2mrad^2 sec0.1%b.wのチェレンコフ光が得られるという結果が得られた。このとき、チェレンコフEUV光は396.9eVが最も強度が高く、4.0°の方向に放射される。 これらの成果は、レーザー生成相対論電子ビームを用いたチェレンコフEUV光源開発の指針を明らかにするものである。
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