Research Abstract |
1.放電プラズマ焼結装置による酸化亜鉛系材料ターゲットの焼結と最適化・メカニズムの解明 平成21年度に引き続き,酸化亜鉛ターゲットの作成,放電プラズマ焼結法のメカニズム解明及びプラズマ成膜への応用のために,放電プラズマ焼結プロセスによる焼結実験を行った.焼結容器の加工,焼結材料上下への絶縁材料(アルミナ板)の挿入などにより,試料内部電流,電圧,加圧力を制御した焼結を行い,焼結試料に印加される電流,電圧,加圧力が総合的に焼結挙動に影響を与えていることが明らかとなった.また,直径50mmのプラズマスパッタリング用ターゲットの製作を行い,これまでの実験と同様に優先的配向性を持ったターゲット材料を得た.直径50mmのターゲット材料ではXRDによる解析より,優先的配向性が径方向で分布を持っており,試料内部電流の径方向分布が焼結材料の内部構造に影響を与えている可能性を示唆している.さらに,放電プラズマ焼結プロセスにおける電流電圧の効果を明確に観測,制御する為に,加熱プロセスと試料内部電流を独立に制御する新しい焼結装置の開発を行った.加熱プロセスを誘導加熱による外部加熱方式とし,それとは独立に試料内部電流を印加することにより,通常の焼結挙動に対する電流電圧の効果を制御することが出来る. 2.プラズマスパッタリングとプラズマ流を併用した新たなプラズマ成膜技術の開発 対向形プラズマスパッタリングと外部プラズマ源を併用したプラズマ成膜装置の開発を行った,本研究では,プラズマスパッタリングを用いて気相中での材料粒子の成長を促進し,成長した材料微粒子を基板上に輸送する為の外部プラズマ源を利用することで,基板上に微粒子を内包する微粒子含有型薄膜の堆積を行う.上で述べた放電プラズマ焼結プロセスの研究結果より,薄膜中の内部構造が印加される電気パラメータに依存して変化する可能性があり,微粒子を内包するプラズマ成膜に応用することにより,より高機能の薄膜の生成が期待できる.
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