2009 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧グロープラズマによるポリマー薄膜堆積の効率化に関する研究
Project/Area Number |
21740402
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
田中 邦翁 Sophia University, 理工学部, 助教 (60276516)
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Keywords | 大気圧グロープラズマ / プラズマ重合 / ポリエチレン / 堆積機構 |
Research Abstract |
本研究では、最終的に大面積に堆積処理が行える装置に適用することを想定した実験装置を作製し、原料の利用率を高めるための装置設計や処理条件などの指針を得ると共に、可能な限り堆積速度を高めるための指針についても検討することを目的とした。また、堆積させるモノマーには、構造が単純で堆積しやすく解析が用意であると考え、以前の研究で採用したエチレンをこの研究でも用いた。 まず、装置の設計と製作を行い、実際に薄膜を堆積させ、膜厚の分布についてこれまでの研究結果と比較したところ、ガスの流れや電極構造について設計が適切であることを確認した。次に、モノマー1分子あたりに与えるエネルギー量と試料ガスの放電場に滞留する時間を一定に保ちながら、電極間距離を狭めていき、放電空間で生成した活性種が基板表面上の堆積に有効に活用されるようになるかを調べた。その結果、電極間距離を2mmから0.4mmまで狭めていったが、堆積速度に明確な変化は無くほぼ一定の値を示した。これ以上、電極間距離を狭めることは装置の関係でできなかったが、堆積に関与する活性種は基板表面から更にごく近傍で生成したものしか関与しないことが明らかとなった。また、堆積速度を上げることはできなかったが、堆積速度を維持しつつ放電空間を小さくできたことは、堆積に関与しないモノマー量を減らすことになるので、モノマーの使用効率を上げることにつながると言える。
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