2009 Fiscal Year Annual Research Report
電子相関と環境効果を取り込む高精度励起状態分子動力学法の開発
Project/Area Number |
21750016
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
神谷 宗明 Gifu University, 地域科学部, 助教 (20509260)
|
Keywords | 電子相関法 / 励起状態 / 分子動力学法 / 非断熱結合ベクトル |
Research Abstract |
本年度は電子相関と環境効果を取り込む高精度励起状態分子動力学法の開発の第一歩として、スピン-軌道相互作用を考慮したab initio電子相関法に基づく、全自由度を考慮した動力学シミュレーション法の開発を行った。この方法では量子化学計算によりスピン軌道状態のエネルギー、エネルギー勾配、非断熱結合ベクトルを計算し、原子核および電子の自由度を時間発展させる。これによってこれまで適用が難しかったスピンが重要な系に対すダイナミクス手法を開発することができた。この方法を重原子化合物の光解離の雛形として大きな興味が持たれ、非常に多くの実験的、理論的研究がなされてきた、CH3I分子の紫外光第一吸収帯における光解離反応CH_3I+hv→CH_3+I(^2P-<1/2>,^2P_<3/2>)に適用し、実験結果と比較することにより、この方法の有用性を示した。 この結果をヘルシンキ(フィンランド)で行われた国際学会International Congress of Quantum Chemistry 2009とジョージア(米国)で行われたThe 50th Sanibel symposiumに参加し研究発表を行った。ICQCと連続して参加したオスロ(ノルウェー)でおこなわれたICQC satellite meetingとSanibel symposiumでは多くの電子状態理論の研究者が参加しており、彼らと本申請の開発について有意義なdiscussionを行うことができた。
|