2010 Fiscal Year Annual Research Report
極低温2光子励起顕微鏡による光合成系光エネルギー捕集ダイナミクスの観測
Project/Area Number |
21750017
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柴田 穣 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (20300832)
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Keywords | 光合成アンテナ系 / エネルギー移動 / 蛍光顕微鏡 / 葉緑体 / ステート遷移 |
Research Abstract |
2009年度に購入した高真空対応の対物レンズを用いて、極低温2光子励起顕微鏡の作成を行った。2009年度に作成していた設計図を再検討した。その結果、真空槽を排気した場合にステージに大きな力がかかるためにフォーカスの微調整をスムーズに行うことが困難となることが明らかとなった。そのためフォーカス微調整部分のメカニズムについて再検討し、ボールネジと回転減速ギヤボックスを組み合わせたフォーカス微調整機構とすることにした。設計の見直しに時間がかかったため、予定より幾分遅れてはいるが、2010年度中に室温で動作する顕微鏡としてはほぼ完成した。空間分解能の評価のため、蛍光ビーズのイメージを取得しほぼ期待通りの空間分解能が実現されていることを確認した。今後、極低温動作のために必要となるクライオスタットを支持するパイプ部を作成し、またサンプル位置を微調整するための直進導入機を購入し取り付けることで、極低温での高空間分解能顕微鏡が実現する目処がついた。 極低温顕微鏡の作成と平行して、既存の顕微鏡を用いた栽培したトウモロコシ黄化葉の色素分布の測定を80Kにおいて行った。黄化葉に見られるプロラメラボディとプロチラコイドという構造体には、どちらもプロトクロロフィリドが蓄積していると考えられているが、その蛍光波長は若干異なる。極低温での顕微鏡観察により、プロラメラボディとプロチラコイドの色素分布をin vivoで初めて観測した。現時点では、空間分解能が十分ではないため、開発中の顕微鏡を用いてより高空間分解能の測定を行う予定である。
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Research Products
(3 results)