2010 Fiscal Year Annual Research Report
自発的界面張力変動が生じる物質の特定および本現象の解明
Project/Area Number |
21750024
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松下 祥子 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50342853)
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Keywords | 自己組織化 / 自己集積 / 非平衡 / 非線形 / ミセル / ゲル / コロイド / 石鹸 |
Research Abstract |
〈内容〉 本研究テーマは、自発的界面張力変動が生じる物質の特定を、本変動現象の解明と共に行うことである。今年度の大きな発見として、1)飽和NaClおよびZnCl_2ニトロベンゼン溶液+1mMトリメチルステアリルアンモニウムクロリド水溶液系、すなわちヨウ素を使わない系での自発変動の発見および、2)高濃度ヨウ素/飽和ヨウ化カリウムクロロベンゼン溶液+1mMトリメチルステアリルアンモニウムクロリド水溶液、すなわちニトロベンゼンを使わない系での自発運動の発見、が挙げられる(いずれも未発表データ)。 〈意義〉 これらの結果は、まず毒劇物のヨウ素・ニトロベンゼンを使用しない自発運動系の構築という点で大きな意義を持つ。さらに本結果は、本自発運動が生じるに当たり、1)油相中の金属イオンの還元能力、2)油相中のヨウ素イオンによる還元能力、の二つが重要な役割を果たすことも示した。具体的には、油水界面に配列したカチオン性界面活性剤の界面からの脱着にあたり、油相に還元性が必要であることが示された。 〈重要性〉 これらの結果は、本研究テーマの課題である、自発的界面張力変動が生じる物質の特定ならびに本変動現象の解明に大きく近づいたうえで非常に重要であると考える。さらに、ケモメカニカルエネルギー変換効率の向上も期待できる。
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Research Products
(11 results)