2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21750072
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
齋藤 伸吾 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (60343018)
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Keywords | ポリアクリルアミドゲル電気泳動 / 金属錯体 / 蛍光プローブ |
Research Abstract |
ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(PAGE)をプラットフォームとし,一次元目でタンパク質を分離し,二次元目でタンパク質に結合している金属イオンの蛍光分離検出をする金属イオン-タンパク質マッピング電気泳動法の開発を進めた。前年度において,二次元目の金属イオン検出系を確立したため,本年度は一次元目において,金属イオンがタンパク質から解離しない分離条件を探索した。モデルタンパク質として,血清中主要銅結合性タンパク質であるセルロプラスミンおよび鉄結合性タンパク質であるトランスフェリンを用いた。結果として,通常よりも高いpHに設定し,精製したモノマーによって作成したスラブゲルを用いたブルーネイティブPAGEおよび尿素PAGEを適用することによって,金属イオンの解離反応を大幅に抑制できることが分かった。今後は,一次元目と二次元目の接続を行い,二次元電気泳動マッピングシステムの確立を行う予定である。 また,キャピラリー電気泳動法を用いて金属プローブ錯体の分離検出を試みたところ,多価カチオンを添加することによって金属間高度分離が可能であることが分かった(S.Saito et al., Analyst, in press)。この分離原理は,多価カチオン-金属プローブ錯体のイオン会合複合体の形状あるいは大きさが中心金属によって大きく異なるという,従来とは異なる新規分離原理であることを明らかとし,これをイオン会合複合体分離モードと命名した。実際に,円二色性スペクトル測定によって形状の異なるイオン会合複合体が形成していることを証明している。
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