2009 Fiscal Year Annual Research Report
液液界面におけるデンドリマーの分子包接挙動と相間電荷移動反応の動的制御
Project/Area Number |
21750078
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
永谷 広久 Nagasaki University, 工学部, 助教 (90346297)
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Keywords | デンドリマー / アニリノナフタレンスルホン酸 / 液液界面 / 分子カプセル / ドラッグデリバリー / 電位変調分光法 |
Research Abstract |
水溶液のpH条件によってインテリアの三級アミンと外殻のカルボキシ基の酸解離平衡を制御でき、電荷を正負に変化させることが可能な、第3.5世代のポリアミドアミンデンドリマーを用いてアニオン性蛍光色素に対する分子包接挙動の検討を行った。デンドリマーの分子やイオンに対する包接効率は、疎水的なインテリア部を形成する官能基のプロトン付加平衡と空孔サイズ、包接対象である化学種の電荷、親水性-親油性バランスなどによって影響される。そこで、分子周囲の環境に応じて蛍光応答が変化するアニリノナフタレンスルホン酸(ANS)をプローブに利用して測定を行った。ANSは、デンドリマーと静電相互作用によって結合もしくは包接されると蛍光強度が増大した。デンドリマーが正の電荷を有するpH5以下の条件では、蛍光色素がデンドリマーに効率的に包接されることを確認した。液液界面における反応挙動を電位変調ボルトフルオロメトリーで解析したところ、デンドリマーは正の分極領域でANSを包接したまま吸着過程を伴って水相から有機相にイオン移動することが明らかになった。ANSのイオン移動電位付近ではANSがデンドリマーから放出され、単独でイオン移動することも確認された。また、ANSの二量体であるbis-ANSは、デンドリマー共存下でイオン移動電位が負電位側にシフトしたことから、ANSよりも安定にデンドリマーに包接されていることが示唆され、分子サイズに依存して液液界面におけるデンドリマーの包接挙動が変化することが明らかになった。
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Research Products
(7 results)