2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21750080
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
橋本 雅彦 Doshisha University, 理工学部, 准教授 (20439251)
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Keywords | チップ分析 / 機器分析 / 生体分析 / バイオセンサー / 試料処理 / DNA / 癌遺伝子 / 点突然変異 |
Research Abstract |
癌遺伝子診断マイクロ流体デバイスを開発するために、バイオチップ上に構築する多段階のアッセイプロセスを7つに分割し、個々について基礎的検討を行った。DNA一塩基変異の検出を可能にするリガーゼ検出反応(LDR)における反応生成物(LDRプロダクト)の精製プロセスには、ストレプトアビジンが表面にコートされた磁性ビーズを利用する新たな手法を取り入れた。本手法により、従来よりも、より簡便かつ迅速なLDRプロダクトの精製が可能となった。また、精製されたLDRプロダクトの検出に、質量分析法、DNAハイブリダイゼーションに基づく蛍光および化学発光検出法など様々な分析手法の利用を試みた。いずれの手法を用いた場合でも、DNAの一塩基変異を高感度に検出することが達成された。さらに、バイオチップの幾何構造をより簡便にすることによって操作性を高めることを念頭に、LDRプロダクトを精製することなく一塩基変異の選択的検出を可能にする新たな手法の開発に取り組んだ。具体的には、LDRに用いる2つめプライマー(識別プライマーおよび共通プライマー)の末端に、それぞれ蛍光色素(Alexa647)およびビオチンを標識しておき、ストレプトアビジンが表面にコートされた量子ドット(QD605)をLDR反応後の溶液に加えることによりプロダクトのビオチン末端へ量子ドットをタグした。プロダクト両末端のAlexa647とQD605との間で蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を誘起させプロダクトの検出を試みたところ、ポジティブコントロールではネガティブコントロールの4倍のFRET強度が得られ、本手法によりLDRプロダクを精製することなく直接検出できることを実証した。以上のように、交付申請書に記した癌遺伝子診断マイクロ流体デバイスの開発を大幅に前進させる知見と成果を得ることができた。
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Research Products
(17 results)