2010 Fiscal Year Annual Research Report
βーアルキルピロール類の実用的な革新的1段階合成法の開発
Project/Area Number |
21750107
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
土本 晃久 明治大学, 理工学部, 准教授 (80313716)
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Keywords | 選択的合成・反応 / ルイス酸 / カルボニル化合物 / 3成分反応 / インジウム |
Research Abstract |
本研究では当初,求電子剤に対してα-配向性を示すピロール類のβ位に多様なアルキル基を位置選択的に1段階で導入するための実用的な新しい手法を開発することを目的とした。本研究課題の実現に先立って我々は,アルキンをアルキル基供給源とする反応開発を実現していたが,本研究では,アルキンの替わりにカルボニル化合物を用いる反応の実現を目指した。種々検討した結果,触媒にIn(NTf_2)_3(Tf=SO_2CF_3)かIn(ONf)_3(Nf=SO_2C_4F_9),溶媒に1,4-ジオキサンを用いた加熱反応条件下において,アルキンの反応でも導入が可能なアルキル基から,同反応では導入が困難あるいは不可能なアルキル基に至るまで,様々なアルキル基をN-置換ピロールのβ位に完全な選択性で導入することができる反応を開発することに成功した。基本的な反応において用いる基質は,カルボニル化合物(ケトン・アルデヒドの利用が可)・N-置換ピロール・トリエチルシラン(ヒドリド求核剤として)の3成分であるが,トリエチルシランの代わりに炭素求核剤を用いれば,ピロール環のβ位に第三級アルキル基の導入が可能となる。以上の研究成果については現在,速報論文として受理されている。現在,カルボニル化合物に非対称なジアリールケトンを,炭素求核剤に芳香族複素環化合物を用いる反応に取り組んでおり,この反応で全て異なる(ヘテロ)アリール基を持つテトラアリールメタンの合成が可能であることを見つけている。現在は,このテトラアリールメタン合成においての基質の適用範囲について検討しており,本研究成果については本年度内の論文投稿を目指している。
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