2009 Fiscal Year Annual Research Report
共役高分子結晶を内包する金属ナノシェル複合体の創製と光電子機能発現
Project/Area Number |
21750110
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野寺 恒信 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教育研究支援者 (10533466)
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Keywords | 機能性高分子 / 有機ナノ結晶 / 有機・無機ハイブリッド / 表面プラズモン共鳴 / 光触媒 |
Research Abstract |
本研究課題では、独自に開発したπ共役系高分子と金属とのハイブリッド化手法『可視光応答型光触媒還元法』を発展させ、高次構造制御された新規ハイブリッド構造体を創製する。同時に、反応制御因子をより明確にすることでπ共役系高分子材料表面において、制御された金属めっきが可能なことを実証する。作製される有機/金属ヘテロナノ界面は、局在性の強い電子系と非局在性の電子系が出会う場であり、非線形光学特性や光電変換特性を向上させるなどハイブリッド化に伴う新規物性を例証する。そこで初年度は、励起光の波長/強度依存性、温度依存性、pH依存性、超音波照射の導入、犠牲剤の添加効果などの反応制御因子を詳細に再検討した結果、波長選択された可視光と超音波との同時照射に反応促進効果が認められ、再現性良くポリジアセチレン(コア)-銀(シェル)ハイブリッドナノ結晶が作製できるようになった。さらに、高分子安定剤や基板との接着分子層を導入したテーパードセル法を開発し、これまで困難であった低散乱損失の薄膜を作製することにも成功した。予備実験ではあるが、薄膜化したハイブリッドナノ結晶の非線形屈折現象を低閾値で観測しており、電場増強効果と波長分散について、次年度に再現・追実験を行う予定である。末筆ではあるが、π共役系有機微粒子が触媒ナノ粒子(白金)の高担持媒質と成り得ることも明らかにし、ナノ粒子の析出分布が異なるハイブリッド粒子について、STEMによる構造解析と触媒活性との相関についても評価できた。以上の内容は、学会や論文紙上で対外発表を行っている。
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