2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21750111
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鳴海 敦 山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60443975)
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Keywords | 大環状ポリマー / リングポリマー / 環拡大重合 / 環拡大ビニル重合 / リビングラジカル重合 / アジド-アルキン/クリック反応 / ラジカル環交差反応 / MALDI-TOF MS |
Research Abstract |
大環状ポリマー(リングポリマー・マクロサイクリックポリマー)は通常、鎖状ポリマーの両末端を何らかの化学反応により閉環することで得られる。すなわち、最後にポリマーの閉環を伴わない方法はあまりない。特にビニルモノマーの環拡大型重合に関してはほとんど報告例がない。そこで本研究は「安定ニトロキシドラジカルを用いたリビングラジカル重合(NMP)」を利用することによってビニルモノマーの環拡大型重合を達成することを目的とする。具体的には、NMPの重合開始剤となり得るアルコキシアミン誘導体の頭尾をクリック反応により結合した化合物(環状NMP開始剤)の合成を行う。それを用いてスチレンの重合を行い生成物の構造を調べる。マクロモノマーの重合についても検討を行う 当該年度は環状NMP開始剤を合成した。具体的には、トリメチルシリル(TMS)基で保護したアルキンを有するブロモベンゼン誘導体(1)をグリニャール試薬に変換し、続いてこれにニトロンを反応させ、TMS基で保護したアルキンを有する安定ニトロキシドラジカル(2)を合成した。次に2をクロロメチルスチレンに反応し、TMS基で保護したアルキンおよびクロロメチル基をそれぞれ頭および尾に有するアルコキシアミン(3)を得た。クロロメチル基をアジド基に変換した後、TMS基を脱保護し、アジド基およびアセチレンを有するアルコキシアミン誘導体(4)を得た。最後に分子内アジド/アルキン-クリック反応を行い環状NMR開始剤(5)を得た。5によるスチレンおよびメチルアクリレートの重合を行った。ガスクロマトグラフィーにより重合動力学を調べ、NMR測定およびサイズ排除クロマトグラフィーにより生成物の構造解析を行い、ビニルモノマーの環拡大重合を達成する系に関する知見を実験的に得た。
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Research Products
(3 results)