2009 Fiscal Year Annual Research Report
結晶性セルロース特異ペプチドの探索とセルラーゼ反応システムへの展開
Project/Area Number |
21750112
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松野 寿生 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (50376696)
|
Keywords | 生体関連高分子 / ペプチド / セルロース / 表面吸着 / 高分子表面 |
Research Abstract |
ランダムペプチドライブラリーからセルロース表面に特異的に結合するペプチド配列のスクリーニングを実施した。 ランダムペプチドライブラリーは、大腸菌を宿主とするM13繊維状バクテリオファージのコートタンパク質上に提示された直鎖7および12残基の短鎖ペプチドライブラリーを使用した。スクリーニングの標的として微結晶セルロース粒子アビセルを用いた。アフィニティ選択時における選択圧(アフィニティ、洗浄、溶出、の各段階におけるpH、反応時間、溶出溶媒の極性)の検討を繰返し、ファージの濃縮を試みた。濃縮ファージの標的結合能は、ELISA法により評価し、適当回数のバイオパニング後、標的結合性ファージが得られたことから、ファージのクローニング、遺伝子配列決定を行いペプチドのアミノ酸配列を同定した。ファージディスプレイ法を適用したスクリーニングにより7残基ペプチドでは、9種類のセルロース結合性ペプチド配列の同定に成功した。25℃におけるクローン化ファージのアビセルに対する見かけの結合定数は、およそ10^9-10^<10>M^<-1>のオーダーであり、濃縮していないライブラリーファージと比較して一桁大きい値を示すことが分かった。より見かけの結合定数の大きい2種類の配列について、Fmoc固相化学合成法によりペプチドを調製し、ペプチドレベルでのセルロース表面に対する結合能を評価した。結合能評価は、ペプチドーセルロース反応液上清に残存するペプチド量をHPLCにより定量し、反応仕込み量との差分から結合量を算出する手法で行った。調製したペプチドは2種類とも、セルロース表面の結晶領域よりもアモルファス領域により強く結合する可能性が高いことが示唆された。
|
Research Products
(2 results)