2010 Fiscal Year Annual Research Report
結晶性セルロース特異ペプチドの探索とセルラーゼ反応システムへの展開
Project/Area Number |
21750112
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松野 寿生 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (50376696)
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Keywords | 生体関連高分子 / ペプチド / セルロース / 表面吸着 / 高分子表面 |
Research Abstract |
ランダムペプチドライブラリーから種々の結晶性セルロース表面に特異結合するペプチド配列をスクリーニングした。ライブラリーは、大腸菌を宿主とするM13繊維状バクテリオファージのコートタンパク質上に提示された直鎖状7または12残基、および環状化した7残基の短鎖ペプチドライブラリーを使用した。スクリーニングの標的として高結晶性I型セルロースおよびI型より化学変換したIII型セルロースを用いた。アフィニティ選択時における選択圧(アフィニティ、洗浄、溶出、の各段階におけるpH、反応時間、溶出溶媒の極性)の検討を繰返し、ファージの濃縮を試みた。濃縮ファージの標的結合能は、ELISA法により評価し、適当回数のバイオパニングの後、標的結合性ファージが得られたことから、ファージのクローニング、遺伝子配列決定を行いペプチドのアミノ酸配列を同定した。本スクリーニングにより、残基数12のペプチドライブラリーのスクリーニングにおいて、30種類のセルロース結合性ペプチド配列の同定に成功した。25℃におけるクローン化ファージの結晶性セルロースに対する見かけの結合定数は、およそ10^<10>M^<-1>のオーダーであり、濃縮していないライブラリーファージと比較して一桁大きい値を示した。比較的見かけの結合定数の大きい10種類の配列について、Fmoc固相化学合成法によりペプチドを調製し、ペプチドレベルでの結晶性セルロース表面に対する結合能を評価した。結合能評価は、ペプチド-セルロース反応液上清に残存するペプチド量を高速液体クロマトグラフィにより定量し、反応仕込み量との差分から結合量を算出する手法で行った。調製したペプチドはいずれも、セルロース表面の結晶領域により強く結合することが示唆された。また、標的としたセルロースの結晶多形を厳密に認識するペプチドと、比較的認識の緩やかなペプチドがあることが明らかにされた。
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Research Products
(1 results)