2010 Fiscal Year Annual Research Report
面不斉サブフタロシアニンの樹状配列制御と階層的キラリティーによる不斉協同効果
Project/Area Number |
21750123
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
森末 光彦 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (40403357)
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Keywords | 不斉分子 / 超分子化学 / 自己組織化 / 合成化学 |
Research Abstract |
サブフタロシアニン多量体の合成方法の確立およびその評価を行った.サブフタロシアニンの軸配位子交換について,末端に水酸基を有するヘキサフェニルベンゼンを鋳型として検討をおこなった.この結果,非常に高い立体障害にも関わらず6量体が比較的効率よく得られ(単離収率46%),この反応が非常に効率的に進行することが確認された.この分子に関して、分光学的検討を行ったところ,浅色効果が観察され,多量体中においてサブフタロシアニンユニットのモル吸光係数が約半分に減少していることがわかった.また,極性溶媒中で蛍光強度が著しく減少しており,無蛍光性エキシマーの形成が観察された.つぎに表題の面不斉サブフタロシアニン樹状多量体合成も検討した.自己重縮合型のサブフタロシアニンは低い溶解性および低い安定性のために単離が困難であったが,最終的に排除体積クロマトグラフィーにより単離することができた.しかしながら不斉分割の試みは成功しなかった.この分子は低い溶解性のため,軸配位子交換反応に適した溶媒が使用できず,自己縮合反応はほとんど進行しないことが判った.しかしながら溶解性の高い別のサブフタロシアニンと混合することで自己分岐型のサブフタロシアニン多量体の合成法を確立した(スキーム2).この分子は各構成ユニットの足し合わせに相当する吸収スペクトルを示し,サブフタロシアニン間での相互作用が非常に少ないことが判った.また蛍光発光挙動の検討から,励起エネルギーが中心部へ向けて段階的に移動することがわかった.
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Research Products
(5 results)