2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21750124
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋爪 章仁 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70294147)
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Keywords | 微小空間 / ホルモース反応 / ホルムアルデヒド / ホルモース / 界面活性剤 / 逆ミセル / 13^C NMR / 両親媒性ブロック共重合体 |
Research Abstract |
ホルモース反応とは、塩基性条件下においてホルムアルデヒドからホルモースと呼ばれる糖が形成する反応である。通常、ホルモースは、複雑な糖と糖アルコールの混合物で、実用的な有用性はない。有用な糖を選択的に形成する選択的ホルモース反応の実現を目指し、微小空間を利用したホルモース反応について調査した。本年度は、微小空間として逆ミセルのウォータープールを用いたホルモース反応を行った。さらに、両親媒性ブロックコポリマーによる逆ミセルの形成についても調査した。 アニオン性、ノニオン性、カチオン性界面活性剤(それぞれ、AOT、TX-100、CTAC)の逆ミセルのウォータープール中でホルモース反応を行った結果、いずれの界面活性剤を用いた場合においても、誘導基がなくなり、ホルムアルデヒドからのグリコールアルデヒドの形成反応が加速された。また、コンバージョンは、AOT、TX-100、CTACに対して、約65、35、25%で飽和し、AOT逆ミセルのウォータープールでもっとも効率的にホルモース反応が進行することがわかった。いくつかの条件下におけるAOT逆ミセルのウォータープール中でのホルモース反応によって、SO_3Na近傍の水分子が反応に重要な役割をしていることが示唆された。^<13>C標識したパラホルムアルデヒドを原料に用いたホルモース反応より、AOT逆ミセルのウォータープール中でのホルモース反応は、いくらか選択的に生成物を与えることが分かった。 可逆的付加解裂型連鎖移動ラジカル重合法により、スチレンといくつかの親水性モノマーからブロック共重合体を合成し、有機溶媒中における会合体形成について調査した。会合数は、疎水性ブロックと親水性ブロックの重合度の比に依存することが分かった。
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