2009 Fiscal Year Annual Research Report
階層的な規則構造を有するポリシルセスキオキサンの合成と機能化
Project/Area Number |
21750127
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
金子 芳郎 Kagoshima University, 理工学研究科(工学系), 准教授 (80404474)
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Keywords | ゾル-ゲル反応 / ポリシルセスキオキサン / オルガノアルコキシシラン / ラダー構造 / ヘキサゴナル積層構造 / ハイブリッド / キラル / コンフォメーション |
Research Abstract |
ポリシルセスキオキサンは、Si-O結合由来の熱的・力学的・化学的安定性に加えて、有機置換基の働きにより分散性に優れるものも知られており、最近注目されている材料の1つである。しかし、三官能性モノマーであるオルガノトリアルコキシシランの重縮合によって合成されるポリシルセスキオキサンの構造を精密に制御することは難しい。 本応募者はこれまでに、これら材料の合成における新しい構造制御法として、アミノ基含有オルガノトリアルコキシシランの酸触媒による重縮合(ゾル-ゲル反応)により、規則的な高次構造を有するロッド状ラダーポリシルセスキオキサンが得られることを報告してきた。 本研究課題では、前述のポリシルセスキオキサンのコンフォメーションを制御することを目的に、この反応系に対してキラル成分の導入を検討した。具体的には、キラル基含有オルガノトリアルコキシシランを前述の反応系に加えて共重合を行った。その結果、得られた材料がラダー構造やヘキサゴナル積層構造を形成することに加えて、振動円二色性スペクトル測定よりキラルなコンフォメーションを有することを見出し、本材料の構造が階層的に制御されていることを明らかにした。また、この材料はアキラルなイオン性ポルフィリンの会合体形成のためのテンプレートとしても働き、合成したポリシルセスキオキサンとイオン性ポルフィリンの混合水溶液のUV-Visおよび円二色性スペクトルからは、ポルフィリン会合体の形成とこの会合体へのキラリティーの誘起が確認された。
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Research Products
(5 results)