2009 Fiscal Year Annual Research Report
易分解性ブロックポリマーの合成と構造制御されたナノ多孔質膜の構築
Project/Area Number |
21750128
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
佐藤 絵理子 Osaka City University, 大学院・工学研究科, 特任講師 (30422075)
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Keywords | 高分子合成 / リビングラジカル重合 / ブロックコポリマー / 分解性ポリマー / ミクロ相分離 |
Research Abstract |
ミクロ相分離したブロックコポリマー薄膜から一方のセグメントを切断または分解後、除去することにより、ナノ多孔質膜を得ることができる。本研究は、易分解性セグメント(ポリペルオキシドセグメント)を含む新規分解性ブロックコポリマーの合成およびそれらを用いる構造制御されたナノ多孔質膜の構築を目指し、初年度は新規易分解性ブロックコポリマーの合成および薄膜のモルフォロジー評価を行った。目的の新規易分解性ブロックコポリマーを合成するには、コモノマーである酸素存在下および生成物である易分解性ブロックコポリマーが分解しない条件下(例えば室温程度の重合温度、暗所、中性または酸性溶液中など)で進行するリビングラジカル重合法の利用が必要不可欠である。これらの制約を考慮し、近年報告された新しいリビングラジカル重合法である可逆移動触媒重合(RTCP)法の利用を検討した。低温ラジカル開始剤を用いることによりビニルモノマーのRTCPが室温付近でもリビング的に進行することを見出し、ポリペルオキシド合成に有用であることを明らかにした。種々の仕込み条件下でRTCPによるポリペルオキシド合成を行い、重合制御能は高くないものの非分解性セグメントをマクロドーマント種として用いることにより、易分解性ブロックコポリマーを合成できることを示唆する結果を得た。この結果を踏まえ、種々のビニルポリマー(非分解性セグメント)マクロドーマント種を用いて検討した結果、ポリメタクリル酸エステルセグメントと易分解性セグメントであるポリペルオキシドセグメントからなる新規分解性ブロックコポリマーの合成に成功した。得られた易分解性ブロックコポリマーの薄膜のモルフォロジー評価を原子間力顕微鏡および透過型電子顕微鏡観察により行い、ブロックコポリマー薄膜はポリマーブレンド薄膜では見られないミクロ相分離構造を示すことを明らかにした。
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Research Products
(19 results)