2010 Fiscal Year Annual Research Report
易分解性ブロックポリマーの合成と構造制御されたナノ多孔質膜の構築
Project/Area Number |
21750128
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
佐藤 絵理子 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 特任講師 (30422075)
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Keywords | 高分子合成 / リビングラジカル重合 / ブロックコポリマー / 分解性ポリマー / ミクロ相分離 |
Research Abstract |
本研究では、易分解性セグメント(ポリペルオキシドセグメント)を含む新規分解性ブロックコポリマーの合成と分解挙動、薄膜のモルフォロジー評価、ポリペルオキシドの易分解性を利用する多孔質化や表面物性の制御について研究を行っている。今年度は、まず、新規分解性ブロックコポリマーの構成要素として利用できるポリマーの多様化について検討した。可逆移動触媒重合(RTCP)法と定量的なポリマー末端のハロゲン交換反応を組み合わせることにより、RTCP法のみでは合成が困難であったポリアクリル酸エステルとポリペルオキシドからなる新規分解性ブロックコポリマーを合成できることを見出した。また、ポリメタクリル酸エステルとポリペルオキシドからなるブロックコポリマーをバルク状態、110-150℃で加熱すると、ポリペルオキシドセグメントのみを分解除去できることを明らかにした。次に、ミクロ相分離したブロックコポリマー薄膜の表面形状および表面濡れ性について詳しく検討した。ブロックコポリマー薄膜は、構成要素であるそれぞれのホモポリマー薄膜やポリマーブレンド薄膜とは異なる濡れ性を示した。また、非分解性ポリマーセグメントは分解しない波長のUV光をブロックコポリマー薄膜に照射し、ポリペルオキシドセグメントを選択的に分解すると、薄膜の接触角が増加する傾向が見られた。分解後のブロックコポリマー薄膜の表面形状を原子間力顕微鏡観察により評価した結果、ポリペルオキシド部分に孔が形成されたことが明らかになった。新規分解性ブロックコポリマーとガラス基板や樹脂フィルム、金属などとの密着性を評価したところ、ガラス転移温度が低い非分解性ポリマーとポリペルオキシドからなるブロックコポリマーは良好な密着性を示し、粘着性の薄膜として機能することが明らかになった。
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Research Products
(12 results)