2009 Fiscal Year Annual Research Report
光癌治療を目指した新規ケイ素型光増感ナノ粒子の創製
Project/Area Number |
21750133
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
堀内 宏明 Gunma University, 大学院・工学研究科, 助教 (00334136)
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Keywords | ナノ材料 / 光物性 / 癌 |
Research Abstract |
我々はこれまでに光線力学療法に用いる光増感色素への応用を目指し、新しい高効率なケイ素型光増感色素を開発してきた。本課題の目的は、EPR効果を利用して開発してきたケイ素型光増感色素の腫瘍集積性を向上させることである。具体的にはEPR効果を示すシリカナノ粒子にケイ素型光増感色素を修飾させ、その光物性を明らかにすることである。 初めに、光増感色素をシリカナノ粒子に修飾するために、トリエトキシシリル基を有するシリルポルフィリンの合成を行った。この色素は他のシリルポルフィンと同様に高い一重項酸素の増感量子収率を示すことも明らかにした。 次に、トリエトキシシリル基を有するシリルポルフィリンとシリカナノ粒子をシランカップリング反応により表面修飾した。反応後、シリカナノ粒子が着色し、吸着していることが確認できた。また、シリカナノ粒子に吸着したシリルポルフィリンの光物性を各種分光学的手法により評価した。シリルポルフィリンによって良溶媒であるTHF中では、シリカナノ粒子に吸着した色素と未吸着のものでは、ほぼ同じ吸収・蛍光スペクトルを示し、蛍光寿命や一重項酸素の増感量子収率などの光物理パラメーターもほぼ同じであったことから、シリルポルフィリンはシリカナノ粒子に吸着しても高い効率を維持していることが明らかになった。 しかし、生体環境である水中では、一重項酸素の増感量子収率が低下してしまうことが明らかとなった。この原因を明らかにするために吸収・蛍光特性を調べた結果、水はシリルポルフィリンにとって貧溶媒であるため、色素分子間で会合を起こし、効率が低下してしまうことが明らかになった。以上の結果から、水中でも高い効率を維持するためには、光増感色素にとって水が良溶媒である必要があり、次年度は水溶性シリルポルフィリンをシリカナノ粒子に修飾する必要があることがわかった。
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[Journal Article] Effects of the Substituents on 4'-Position on the Photon-mode Erasable Photochromic System of 2-Hydroxychalcone Derivatives2009
Author(s)
Horiuchi, H., Tsukamoto, A., Okajima, T., Shirase, H., Okutsu, T., Matsushima, R., Hiratsuka, H.
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Journal Title
J.Photochem.Photobiol.A 205
Pages: 203-209
Peer Reviewed
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