2010 Fiscal Year Annual Research Report
光癌治療を目指した新規ケイ素型光増感ナノ粒子の創製
Project/Area Number |
21750133
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
堀内 宏明 群馬大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00334136)
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Keywords | 光増感色素 / ケイ素 / ナノ粒子 / 光線力学療法 / 一重項酸素 |
Research Abstract |
癌の光化学療法である光線力学療法に用いる薬剤(光増感色紙)の開発を行った。本課題では、我々がこれまでに開発してきたケイ素型光増感色素のさらなる高効率化、及び腫瘍選択性を向上させるためにシリカナノ粒子との複合化について研究した。 光増感色素の改良に関しては、以前に合成したシリル基を有する水溶性ポルフィリンの親水置換基をスルホ基からカルボキシル基に変更したところ、一重項酸素の光増感効率は0.66から0.72へと増加した。また、癌細胞による色素取り込み効率も40%向上し、光照射によって培養癌細胞を殺傷する能力は10倍近くに向上した。さらに担癌ヌードマウスを用いて新しい光増感色素の評価を行ったところ、非ケイ素型色素では腫瘍選択的集積性は見られなかったのに対し、ケイ素型色素では筋肉と腫瘍で10倍の濃度差が観測され、ケイ素型にすることにより腫瘍への選択的集積性が向上することがわかった。これらのケイ素の効果により、癌治療効果が著しく向上し、腫瘍の治癒に成功した。この成果については特許出願した。 一方、シリカナノ粒子との複合化については、光増感色素にシランカップリング基を導入してからシリカ表面に修飾する方法と、反応性基を有するシランカップリング剤でシリカ表面を修飾した後、光増感色素を導入する方法のどちらでも複合化に成功した。シリカ表面に修飾した光増感色素は有機溶媒中では単量体として存在し、一重項酸素を高い効率で光増感したが、水溶液中では色素が会合体を形成してしまい、一重項酸素の増感効率が低下してしまうことがわかった。会合を抑制するために、1.表面色素密度を低下させた、2.色素を水溶性の化合物に変更した、が回避できなかった。今後会合を防止するために、ケイ素置換基をさらに嵩高くすることなどを検討する必要が有る。
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[Journal Article] Suppression mechanism of the photodegradation of J-aggregate thin films of cyanine dyes by coating with polysilanes2011
Author(s)
Horiuchi, H.; Ishida, S.; Matsuzaki, K.; Tani, K.; Hashimoto, T.; Hotta, H.; Tsunoda, K.; Kodaira, T.; Okutsu, T.; Hiratsuka, H.
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Journal Title
J.Phys.Chem.C
Volume: 115(14)
Pages: 6902-6909
Peer Reviewed
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[Presentation] Development of Silicon-containing Photosensitizer for Photodynamic Therapy2010
Author(s)
Horiuchi, H.; Kameya, T.; Yoshimura, K.; Kyushin, S.; Matsumoto, H.; Hosaka, M.; Takeuchi, T.; Okutsu, T.; Hiratsuka, H.
Organizer
PacifiChem 2010
Place of Presentation
Hawaii, USA
Year and Date
2010-12-19
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